どうもくらげです。
くらげも年齢を重ねて、サークル内で知らない子も増えてきました。
卒業する前に、「タツノコ配信」として、ダイビングの様々な知識を残していけたらなーと思います。今後もたくさんダイビングするサークルであってほしいしね。
さて、今回は初級中の初級、中性浮力の話です。
中性浮力は一本これの習得につぎ込んでも、将来おつりが返ってくるくらい大切なスキルです。
ダイビングを始めたときは、
ダイビングってたくさん泳ぐんだろうな
と思っていたのでは?
上の動画を見るとわかるように、全く足を使わなくてもその場にとどまることができます。
このまま息をはけば下に沈むし、BCDに空気を入れたりちょっと上に泳げば浮かんでいきます。
あ、最後逃げましたね。
中性浮力をとるメリットはたくさん。
・疲れが減る。
・エア持ちがよくなる、ダイブタイムが増える。
・姿勢維持がしやすい。
・生き物に近づきやすくなる、海底を荒らさない。
・写真が上手に撮れる。
特に最初の2つは、初心者が困っている二大巨頭じゃないですか。
以上の悩みを解消したいときは、ガイド担当に
「中性浮力の練習をしたいんですけど……」
と一声かけてもいいかもしれないです。
はい、それで中性浮力でまず大事なのは以下3つ。
・呼吸
・ウェイト
・BCDの送気と排気
ダイビングでの呼吸は酸素と二酸化炭素を入れ替えるためじゃないんです。
呼吸って、ダイビングでは羽なんですよ。吸ったら羽ばたいて、はいたら畳む羽です。
もうちょっとちゃんと言うと、肺に空気が半分より入っている状態が羽ばたき、半分以下が畳んでいる感じですね。初心者の人は常に空気を吸っていることが多いので、常に羽を羽ばたかせている人がとっても多いです。ハチドリみたいで可愛いですね。
沈みたいときは、息をはきましょう。
でも苦しくなるので、いつかは空気を吸わないといけません。そこで、肺の半分以下に収まるようにちょっとだけ吸って、またはきます。
こうして、しばらく長い間、肺をからからにしてください。じゃないと海では沈みません。
浮き沈みにはラグ(時間差)があるからですね。
なので、沈むまでじっと息をはき続けましょう。ジェットコースターのように、すーっと落下する感覚がやってきます。
(潜降のときは重いタンクに引っ張られるので、やや前向きだとなおいいですね。)
また、水面に上がるときも息をはきぎみに浮上しましょう。でないと、ぼんっ! と勢いよく水面に打ちあがってしまいます。
水深5mなんかでは永遠に息をはき続けましょう。
じゃあいつ息を吸うんだよ! って思いますよね?
ダイビングって息を吸う必要ほとんどないんですよ。
それは、海底にいるときです。
このままでは海底にぶつかるーってとき、息を吸います。それもたくさん浮かびたいなら、ゆっくり長くです。一気に吸って、すぐはいてはまた落ちちゃいますからね。
んでこのままだと浮かんじゃうーってとき、息をはきます。これがいわゆる中性浮力ですね。
水面に浮かぶこともなく海底に沈むこともなく、そのはざまを行ったり来たり。
ダイビングでは深い場所へ行くほどBCDに吸気する、です。
また、海底に着底しているときも必要です。フィンで浮上することもできますが、スマートなのは、フィンを一切使わずに海底から離陸することです。息をたっぷり吸うと、ゆっくりと胸のあたりから持ち上がっていきます。立ち上がれるくらい海底から離れたら、両足も浮かせて、レッツゴーです。
ちなみに、中性浮力をとる呼吸は人によってマチマチです。通常の呼吸をして上下に揺れる人もいますし、吸った状態をキープして一気にはいてすぐ吸う人もいます。
サクダくんの動画を見てみると、ぽろぽろと息をはいたあとにボコボコとはき切り、そのあと短い間吸っていますね。
(撮影者はめちゃくちゃ息をすってはいてしてますね……だからエア効率悪いんだ!)
次はウェイトです。ウェイトの調整は上級者への道でとっても大切になってきます。
まず当然のごとく、ウェイトが足りなくては潜れません。最低ラインがあります。
初心者のころは、ウェイトを何キロもつけて無理やり沈めます。なんせ、みんな落ちるのが怖くて息もはけないし、バタ足も止められないですからね。
ウェイトは重いです。重りなので。
たくさんつければ、水中で泳ぐときに必要な力も大きくなりますし、地上でも大変です。
できれば減らしたいものです。
ダイビングも慣れてくると、意識して息をはいたり、バタ足に気を配ったりできます。
そうなってきたら、ウェイトを減らす段階です。少しずつ減らし、いわゆる適正ウェイト(息をはいたときにマスクあたりに水面がくるくらいらしい)を見つけます。
適正ウェイトを見つけると、一番軽い重さで潜りたい! っていう気持ちもわかります。
でも、オススメは適正ウェイト+1キロです。
テストで不正解だけど、現実では正しい系の答えです。
そのほうが沈みやすいし、タンクの空気が減っても浮きにくいです。着底しやすいです。
ある程度、ダイビングが上手になってくるとどれだけ軽いウェイトで潜れるかが上手さの指標、みたいに思っているい人もいます。確かに、(同一人物内で)軽いウェイトで潜れる人のほうがスキルは高いですが、実用性で言うと適正ウェイト+1~2キロです。
ガイドになれば沈めない人を沈めるときがくるし、写真を撮り始めればオーバーウェイトで地面に張り付く必要もでてきます。
それに、マイナスウェイトで潜るよりもプラスウェイトで潜る方が圧倒的に楽です。
たまに、まだ減らせる、まだ減らせると極限まで減らして、浅場で耐えられずに浮いていく人がいます。
ウェイトはポイントの深さでも調整しましょう。
(私は4キロあったウェイトを全てプレゼントして、ほぼ息が吸えなくなりました笑)
ポケットタイプのベルトを買っちゃうのもオススメです。ポケットタイプのほうが準備が早いし、水中で上げたりもらったりもできます。あとは痛くないですね。寒いとウェイトの移動でひーってなりますからね。
中性浮力と言えば、やっぱりBCDですね。適正ウェイトなら使わずに肺だけでどうにかなりますが、それでも深場に行けばBCDの使用を迫られます。
排気するときは、姿勢を起こし、左肩を上げ、左手を上げてインフレーターホース(空気を出し入れするとこ)をしっかり持ち上げましょう。
これができていないばかりに、空気がBCDに残っている初心者は結構います。
まずは水面で冷静になって、この姿勢を丁寧に作りましょう。潜ろうと必死になって頭を下にすれば、この姿勢が崩れて空気が絶対に抜けません。ドライでもあるあるですね。
水中で空気を抜くときも同じです。一旦立ち止まり、姿勢を整えてからしっかりと排気します。水平姿勢のまま排気しようとして、全く空気が抜けていない、というのは初心者にありがちです。
また、吸気と排気は思い切ってじゃんじゃんしましょう。特に深場は「しゅこーーーーー」くらい入れて大丈夫です。ちょっと入れてね、は「しゅこー」くらいです。ちょっと入れてと言うと、シュコッくらいしか入れない人もいます。それだと10プッシュくらい必要になっちゃうので、もう少し入れて大丈夫です。
入れすぎたら抜けばいいので、ぴったりを最初から狙うのではなく、入れすぎ、抜きすぎを繰り返して合わせる、と言う感覚を大切にしましょう。
BCDは急浮上で怖い思いをすることも多いと思いますが、使わないことには上手になりません。ガイド担当の人に、ちょっとBCDの練習をしたい、と一声かければ、急浮上を気にかけてくれるはずです。
また、BCDで浮力調整をするときは、フィンキックをやめましょう。
これ重要です。
ほとんどの人は、マイナス浮力をフィンキックで補ってしまっています。その状態で中性浮力にすれば、フィンキックの浮力で上がってしまいます。だからBCDに空気を入れない、いつまでも中性浮力になれない、というわけです。最初の頃は、毎回立ち止まって浮力調整をしましょう。
ただ結局のところ、冷静になって、これをやってみよう、練習しようと思えたらの話です。
まずは深呼吸して、冷静になることが一番大変な最初の一歩ですね。
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